緑内障レーザー（SLT）
緑内障の原因の一つは眼の中の栄養水（房水）の出口である線維柱帯が詰まることにより、房水の排出が悪くなり眼圧が上昇するとされています。
古くからALT(アルゴンレーザー線維柱帯形成術)という治療法がありましたが、効果が一時的であること、線維柱帯の組織を破壊してしまうという欠点がありました。
SLTは特殊なレーザーを線維柱帯に照射することにより房水の流出の妨げになっているメラニン色素を除去し、自然治癒反応が引き起こされ房水の流出を改善し眼圧を下げます。
線維柱帯内のメラニン色素のみを標的とするため、線維柱帯組織の破壊を伴いません。そのため、眼圧が再上昇した場合も繰り返しレーザー治療を行うことが可能です。
眼圧が高い方に特に効果的です。しかし、眼圧が高くない正常眼圧緑内障の方も対象です。
というのは正常眼圧緑内障の場合には、眼圧を正常範囲内にあっても視野の悪化を予防するためにさらに眼圧を下げる必要があるからです。
SLTは副作用がほとんどない為、全ての開放隅角緑内障にSLTが適応であり、時には初期治療として行われる場合もあります。
点眼治療でも視野進行のする方の追加療法などとしても当院では施行しています。
SLTの効果は約１～2ケ月後に安定してきます。その結果、毎日していた点眼薬の数を減らしたり、治療を強化することで視野の悪化を抑制したり、手術を回避することを目的としています。
SLTの効果は6ケ月～1年程度と言われており、減弱した際には再施術します。
外来にて点眼麻酔を行い、5分程度で終わります。治療に伴う痛みはありません。
治療後もすぐに通常の生活が可能で、特に安静や制限もありません。
起こりうる合併症として、虹彩炎、眼圧上昇などがありますが、一時的なものでほとんど問題とはなりません。
また、SLT後でも点眼治療や手術治療への影響もありません。
色素の色や隅角の形などで効果には個人差があります。
長期的には眼圧下降効果があれており、減弱していくとこが報告されており、長期的に経過観察することが大切です。
治療が必要となったその日に受けることも可能です。
※手術となりますので各種生命保険が対応になる場合があります。詳しくはご加入の保険会社にご確認ください。
